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国産いぐさの素晴らしさ~染めと織り

昨日から「いぐさ」のお話をさせていただいております。
マルタ店内で展示している「いぐさ」は全て国産素材、日本職人の手による製作です。
しかも丈夫で長持ちする「掛川織」というものだけに特化しております。

そこで今回はその違いを御理解いただくために、「染めと織り」について
整理したいと思います。
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一般のいぐさは 約2800~3200本のい草を使うのに比べ、
添島の製品には 約3500~4800本も使用しており、丈夫さとボリューム感が違います。
ここでは代表的な3つの織り方についてお話します。

<掛川織>
重厚優美な姿を形にして行く掛川織りは、特産工芸品に認定される程の美しさがあります。
正確で高密度に織り込むことで目が詰まり、素足に心地よいクッション性・肌触り・美しさは
職人の関わらない大量生産では決して出せない感動の質感です。
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約3cmの大きな折り目と、1cmの小さな折り目が交互に繰り返され、
一般の花ござに比べ厚く、 やさしい感触は深いくつろぎを生み出します。
マルタで展開しているのは、この掛川織だけです。


<袋織り>
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袋織り(または風通織)とは経糸を、一般的な紋様(約209本)より約100本も多く使い、
繊細な柄を表現できる二重織りのことを言います。
表と裏の色を完全に織り分けることができたり、二重構造の破れにくい丈夫さで
或る程度耐久性に富んだ織り方ですが、掛川織と比べるとザラっとした感じで、
更にクッション性は劣ります。 



<紋織り>
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い草を織り込む経糸の開口を変えて文様を織り出した技法です。
209本の経糸が複雑な紋様を織り出し、最も技巧的で織柄のバリエーションが多く見られるので、
個性的な柄を表現したいときに用いられています。

色や柄も比較的自由なため、添島でも最近は多く取り入れておりますが、
やはり比較の問題で掛川織と比べると耐久性に劣ります
しかし洋風なスペースに向き、アクセントとしていぐさを考える場合には
掛川織よりも向いています。

掛川織の欠点は「限られた範囲のデザイン性」です。3cmと1cmの折り目の繰り返しが
掛川織ですので、例えば「花柄」などは作ることは困難です。


上記の3つの織り方の中で、ご自身の希望にあう織り方をお選びいただければと思います。
(でもマルタでは掛川織だけなので、その他はカタログで・・。)




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添島のいぐさ製品の中には、光に強く退色しにくい染め技術で染めた商品も多数あります。
通常は20~30分程度漬けて、乾燥させる染手法が一般的なようですが、
この手法であると色が退色しやすいので、添島では手間と時間をかけた染め方で
製品作りをしております。
特に手間を掛けている染手法としては「柳川手染め」「白秋染め」があります。

<芯まで染め上がった光沢の柳川染め>
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柳川手染めはい草を 約2時間沸騰させ更に10時間以上漬け置きさせています
乾燥も低温でじっくり時間をかけています。
い草の芯まで染め上がっていて、光線に強くて退色しにくく、手などの色がつきにくくなっています。




<淡い色合いの白秋染め>
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白秋染めはい草を 約90度の釜の中で1時間沸騰させて、
その後 染め上がったい草を水洗いして乾燥機で約12時間乾燥させます。
従来の商品に比べて淡いトーンの色合いで、堅牢度が高く退色しにくくなっています。


白秋染めの商品も、柳川染めの商品もご用意しております。
是非、手にとってご覧下さい。

by imaruta | 2011-04-29 17:32 | ◎スタッフの独り言◎