最近のケイトスペードは・・
先日、御殿場のアウトレットに行ったとき、<ケイトスペード>の前を通りました。
久しぶりに店内を回遊しながら商品を眺めていると、なんだかあんまりドキドキ感も
なく、あまり活気もない様子でした。
以前にブログでも描いたかもしれませんが、新宿伊勢丹時代にNYに買いつけに行ったとき、
ケイトスペードに会いました。 1996年ぐらいだと記憶していますが、プラザホテルで
行われた、新進デザイナーたちのショーがあって見に行きました。店舗や期間限定スペース
で販売する商品を買い付けしていたのです。その時小さなブースにいた、そばかすだらけの
小さな女性がケイトスペードでした。 「セミショル」とよばれていた、脇に挟むタイプの
バックや書類の入るバックなと、黒のナイロンに、<ケイトスペード>の名前がつけられた
バックを買い付けました。
半年後、シーズンがFWからSSに変わっていよいよ店頭で販売することになりました。
半年が経過したら、ケイトスペードの名前が少し雑誌などで取り上げられ、「キャリア
ブーム」もあいまって、爆発的に売れ、追加オーダーの連続でした。
早速NYにいき、新たなラインのセレクトや数だしにいったら、今度は少しシャレた
アパートにオフィスをもっていました。
翌年、再度渡米したときに行ったら、どでかいビルの一角で、秘書もついて、ゆっくりと
話す時間もないほどでしてた。(そばかすも消えていました・・)
このころのバッグはほんとに楽しかった。
その後、サンエーインターナショナルが版権を取り、売り場にショップを作る、
しかも直輸入はできなくなるということになり、残念ながら取引をやめました。
当時伊勢丹はバーグドルフやニーマンマーカスなどを目指しており、自分たちなりの
マーチャンダイジングで品揃えをすることを目指しており、ブランドのショップや
コーナーを相手に場所貸しすることなく、あくまでも品揃えの中にブランドの「アイテム」
を落とし込むことを理想していたのです。
そういったビジョンからすると、サンエーのケイトスペードショップは認めたくなかった
のです。
でも本当はキラキラしていたケイトスペードを紹介し続けたかったのが本音でした。
それから20年以上、御殿場でみたケイトスペードには輝きを感じませんでした。
ネットでみたら、2007年からバーバリーなどで辣腕をふるっていた人を共同経営者と
して招いて新たなスタートを切ったようでした。
ネット販売なども個人の人がやったり、会社でやったりしていました。
こうなると、デザイナー本人の意思や思いは商品に反映されません。
モノは単に「物体」ではなく、デザイナーや作り手の思いを伝えるツールでもあるのです。
今、お店ではインテリア商品を販売・施工していますが、
「人気がある」「流行っている」という理由ではなく、作り手の思いが感じられる商品・
売り手が「いい!」と感じられる商品をお勧めしていきたいと思っています。
そうでないと「輝き」がなくなってしまうのです・・
by imaruta | 2012-12-14 07:33 | ◎スタッフの独り言◎